さよなら空き地
工事が始まります
まずは
借りている空き地に
仮園舎が建つのです
今まで
そこにあるのが あたりまえだった
空き地が使えなくなります
最後のときを
どうやって過ごそうかと
こどもたちは 考えます
年長組の
空き地への 思いは
特別なのです
黄色と
みどりで
染紙を作ると
全員で
紙に貼っていきます
大好きだった
聖愛のシンボルの木
エプロンを縫います
ポケット付き
難しいところは
教えてもらいながら 作ります
りんご園の
りんごを切ります
小さく切ります
ぐつぐつ煮ていきます
そうして
煮たりんごを 包んで
アップルパイ
テーブルに
汚れ止めの ビニールを付けます
この
小さな 抜け穴
大好きな トンネル
くぐった時に
眼前が開け
その場で 笑顔になった空き地
その
空き地に
今日は
カフェがオープンします
聖愛のシンボルツリーだった
イチョウの木
お客さんが
チケットを手に
集まってきます
ミルクティーと
ストレートティーがあります
注文を聞いて
アップルパイも
運びます
キッチンは 大忙し
小春日和の
空き地カフェ
空き地の 一画の
すてきなカフェ
『あきち ありがとう そらぐみカフェ』
たくさんの
思い出を
こころの中に 詰め込んで
さよなら
空き地
今まで
ありがとう