ぼうけんの旅
山へ行くバスの中
女の子の顔が曇っています
「心配があるの?」
そう尋ねると 女の子は唾をのみ込んで
少しの間 下を向き それから
「せんせい いないかもしれないけど・・・
ライオンが出たら どうしたらいい?」
と私の顔を見ました
こんなとき さて どう答えましょう・・・
日本の山には ライオンなんていません
正しい答えは 私にもわかりません
わかるのは 女の子が とても真剣だということ
いないかも・・・
そう言っている言葉と表情が 私に訴えかけます
「そうね・・・ライオンがいたら 怖いわね・・・
でも 今から行く山は ライオンのいない山だから 大丈夫」
女の子は うなずきます
それから 女の子の質問が続きます
「さいがでたら」「わにがでたら」「ゴリラがでたら」
さあ おわかりになられた方もいらっしゃるでしょう・・・
今から私たちは 年長組だけの冒険の旅
行く前によんだ ぼうけんの本が
女の子の心に 響いていたのです
ですから
ばかにしてはいけません
ファンタジーの世界にはいっている
その心を 大切に