こころに とめる
春
モッコウバラの横で
芽吹く いちょう
小さいズボンの
形をしてる
梅雨には
葉っぱの屋根の下
外で遊んだ
夏
太陽の光を
体全体に受けて
濃い緑を
もっと濃くして
秋
少しずつ
緑から黄色へ
色づくとき
晩秋
それは金色に光るとき
目にまぶしく
ここちよく
真冬
堂々とした
その姿は
力強く
その下で
遊ぶことはもうできないけれど
わたしたちを 育んでくれた
聖愛幼稚園の大いちょうに
心から
感謝するのです
今まで ありがとう
小さなおうちのように
みんなで 引っ越しができればよかったね
悲しく さびしくて
涙も出てしまうけれど
小さな赤ちゃんとして
また
きっと 会えるよね
こどもの姿に
大人のわたしたちは
心を柔らかくすることを 学びます
それは
どんなときでも
今を生きている
こどもらしさを 感じるときです
工事が始まりました
大人にとっても
こどもにとっても
今ある 大切なものたちが
壊されていくこと
なくなっていくこと
それは とても つらいことです
でも
こどもたちは
その中で 初めて出会う ことがらに
驚きをもって 興味を持ち始めます
工事は 嫌なことだと
思い込んでいる わたしたちを横目に
こどもたちは 工事ごっこを始めます
間近で見る 重機は
それはもう 興味深いもののようです
だから
わたしたちは 思います
大好きな 大切なものたちが
なくなってしまう 悲しさや さびしさ
こころの痛む その姿も 大事にしたい
そのこころに 寄り添って
ともに 感じていきたい
それと同時に
今、この時を
新しい発見をしながら
よろこびや 楽しさを 見つけていく
その心も大切にしたい
いつも
こどもに
わたしたちは
教えられています