何が大切なのか
どこの運動会でも
花形のリレー
聖愛幼稚園でも
年長組が はじめました
朝 部屋の片隅に
バトンが置いてあるのを見たとたん
みんが声を掛け合い
始まりました
保育者は「リレーしましょう」
そんな言葉は一切かけません
走るのが大好きな子どもたち
目に入る場所にバトンを置いておく
それが
環境を通した教育と言われるものです
年長組が 思い切り走っています
途切れずに
エンドレスで続いています
年中組の2人
テラスから
その様子をじっと見ています
しばらくして 動き始めました
指をくわえて
もじもじしています
声をかけづらいようです
そこで
保育者は 赤白帽の箱を見せました
2人は すぐに手を伸ばし
赤白帽をかぶると
いれて
と小さく言いました
すると
「赤になって 白になって」
友だちが教えてくれました
仲間に入った2人は
思い切り走ります
初めにじっと見て
やってみたいと思う心を大切に
自ら動き出すのを 保育者は待つのです
でも
入りたい気持ちが
入れない気持ちに負けてしまいそうなときには
そっと 次に進める手助けをするのです
何も言わず
そっと 目の前に赤白帽を見せる
これが
次に進む手助けです
さて
年少組です
じっとリレーを見ています
しばらく 顔をいじったり
鼻をいじったり
ようやく 片足に靴を履き
またまた
ここからが長いのです
片足履いて
しばらくリレーを見ています
ようやく 両足に靴を履き
ここからは すぐに動きます
自分で 赤白帽を取りに行き
かぶります
それから 自分で
仲間に入れてもらいました
この子は
直接的な援助は必要なく
この子の こころを感じ
この子の 力を信じ
待つことが大切でした
大切なことは
その時によって
場所によって
子どもによって
その時のこころもちによって
変わってくるものです
私たちは
そんな子どたちの
大事な瞬間に
丁寧に関わっていきたいものです